
今やSSにおける販促にIT(情報技術)は欠かせない存在となっている。
では、ITの活用はいつ頃から登場し始め、現状はどうなっており、今後はどこへ向かっていくのか?
SS販促の歴史を振り返リながら、SSとITを活用した販促の関係を探っていきたい。
ムラカタのセルフ富士宮SSは平成14年にセルフ化オープン
し、カーケア型セルフとしての運営を行ってきた。同社では、自社の指定整備工場を持つなど、従来から車検を中心としたカーケア販売に取り組んできたが、もう1段の収益向上を目指し、昨年6月にMICが提案する車番自動認識モジュール搭載・SS販売支援情報システムNXEYES(エヌエックス・アイズ)を導入。車検獲得台数が飛躍的に向上する結果となった。
セルフ富士宮SSの引地光政所長は、「元々、ニュースとしてNXEYESを知っていたため、導入に対する期待があり、
実績も向上するだろう」と、導入前から非常に前向きに捉えていた。セルフ富士宮SSでは、NXEYES導入に先駆け、SSの全社員4人がMICの直営SSで2泊3日の研修を受講。実際にNXEYESを使ってのSSオペレーションを経験したことで、実績を上げる自信もついたという」
同SSが行っているオペレーションでは、来店するすべての車のナンバーをNXEYESで認識し、データベース化しながら、新規客と車検客へ2つの店頭アプローチを行う設定としている。もちろん、NXEYESの機能そのものには、あらゆるサイクル商品、カーケア需要に対応することも可能なのだが、導入から半年程度であることに加え、まずはカーケアの軸となる車検に集中したいとの意向から、この2つに絞り込んだ。
まず、NXEYESにおいて、SSに新規客が来店するというのは、その車のナンバーがデータペース化されていないことを意味する。この場合、プリンタから通称「N券」と呼んでいるウェルカムチケットがプリントされ、同時にスタッフのコールウォッチ(腕時計型の通信機器)には、新規客を意味する「F1」のコードが送信されてくる。するとスタッフは、再来店促進を目的としたプレゼント引換券をお客様に手渡しするのと交換に、車検月をお客様に聞き、N券に記録。
ここで獲得した車検月は、後ほどデータとして入力することで、来店するお客様の名前は分からなくとも、車番と車検月で顧客管理を行えることになる。ちなみに、プレゼント引換券は、再来店時に持ってくればボックスティッシュをプレゼントするというものだ。
また、初回来店時に、何らかの都合で新規客としての対応を行わなければ、2回目以降の来店でも、「F1」のコードが出る。そのため、結果としてすべ
ての来店客のデータベース化が可能であり、セルフ富士宮SSでは、導入から約半年で既に1万台分の車両が、データベースに蓄積されている。
2つ目のアプローチは車検である。既にデータベース化された1万台の車両のうち、車検月の3カ月前の車が来店すると、NXEYESからスタッフに対して、自動的に「B2」のコードが送信されてくる。このコードは、来店した車が車検対象であることを意味し、スタッフは車検の声掛けを行い、セールスルームで行われる、プレゼントの抽選場所へと案内する。
これは、車検対象車だけをターゲットにしたプレゼント企画で、必ず何かが貰える仕組みとしている。
ここで、お各様に数分の時間をもらい、ムラカタの車検の紹介をすることになる。もし、この段階で車検の予約がとれると、そのお客様は「B2」対応済みとなり、その後は「B2」のコードは送信されない。また、すでに他の場所での車検が決まっているなど、車検を獲得する可能性がゼロの場合も、「B2」対応済みとして処理することになる。
だが、大半のお客様は、車検を即決するわけもなく、「考えておく」といった具合に、態度を保留するケースが多い。そこで、ガソリンL当り10円引きのキャンペーンが効果を発揮する。これは、車検の予約を行うと、車検月まで、つまり最大3ヵ月間、ガソリンをL当り10円引きで給油できるというもの。従って、予約を早めに入れれば入れるほど得をするため、車検への誘導役として機能するわけだ。
それでも、態度を決めかねるお客様に対しては、次回来店以降も、引き続き「B2」対応の指示が出続けるため、車検日までは継続して車検の商談を行う
ことになる。また、「B2」対応の2回目以降のお客様に対しては、N券に車検商談中と印字されるため、車検の初回商談と混同して、プレゼントを渡すといった事態も発生しない。
そして、車検日を過ぎると、自動的に「B2」対応は外れ、通常のお客様、つまり何も指示が出ないお客様へと戻ることになるのだ。NXEYES導入以前、セルフ富士宮SSでは月平均30台の車検を獲得してきた実績がある。普通であればこの数字でも非常に優秀なのだが、導入後の実績は月平均60台と、2倍に跳ね上がったから驚く。
引地所長は「以前は、車検の獲得に関しても、チラシの配布など物量作戦であり、マンパワー次第で結果が大きく左右する状態であった.だが、NXEYESの導入により、車検対象のお客様が何台来店しているか明確になった。そして潜在需要に対してピンポイントでアプローチできるようになった」と話してくれた。