業界紙記事

カメラ車番認識システムはSS活性化の切り札となるのか? 2007年9月号月刊ガソリンスタンドより
◆油外拡販に「NXEYES」が貢献
4月の発売を皮切りにSS現場で活躍を見せるのがマーケテイングインフォメーション(MIC・横浜市都筑区)、ホームネットカーズ(東京都新宿区)、メディア(東京都文京区)、アイテック(東京都文京区)の4社が販売・保守サポート・開発・製造を行う「NXEYES(エヌエックスアイズ)」だ。

元々、車番で顧客を識別し、顧客の要望に即した販売活動を展開しようと試みてきたMIC。着手に試みたのは約12年前だが、当時はカメラやソフトウェアの認識精度は低く、処理速度も記憶容量も不足。さらにコストも高価であるなど、車番認証システムを採用するには多くの課題が残されカメラ採用は断念することとなった。

そこで1995年11月に開所したモデル店「スーパーステーション仲町台」には、SSのフィールド全体を見渡せる管制室を設置。そこで行われたのは、来店車両の車番を目で確認し、データペースと照合、インカムで店頭スタッフに指示を送る体制。その効果は、絶大で開店1年後の12月に油外収益1,000万円を突破した。管制室方式は2002年に終了したが、その間にIT技術も格段に進化。2007年4月にカメラ認識を可能とした「NXEYES」の発売を開始することとなった。

こうして完成した同製品は、人件費をかけずに「管制室方式」と同様の役目を果たすことが最大の武器である。使用の流れは、来店車両のナンバーをSSフィールドに設置された固定カメラ「NXカメラ」が読み取る。次に専用パソコン「NX-PC」がナンバープレートを解析し、「PC」内の専用ソフトウェアが特定された車番から来店履歴やサービス履歴、車両情報を照合。あらかじめ設定されたSSの接客方針に従い、接客の必要性と最適な接客手順を判断し、その情報をSSスタッフが装着する「NXコールウォッチ」に伝達。さらに「NXプリンタ」から接客指示書が印字された用紙が出力されるという形である。

情報を受けた「NXコールウォッチ」は、接客すべき顧客があるとバイブレータ機能が作動し、液晶ディスプレイにレーン番号と接客手順を表示される。表示される文字は”1レーン・F1”など。この形ならば「1レーンに、車検年月が登録され
ていない車が来店」ということを意味しており、その指示に従いスタッフが車検年月を教えてもらうための接客を行う。それ以外にも「B2」など様々な指示コードが表示され、スタッフは対象車両ごとに合わせた接客体制を構築することができる。

◆見込み客を完全捕捉 油外拡販に効果あり
「自信を持って声掛けできるようになり、油外拡販に役立っています」とはNXEYES導入店のスタッフ。来店車1台ずつの情報が伝達されるため、その時に的確な声掛けができるのがその根底にあるようだ。油外購入見込み客を漏らさず見つける同製品だが、車検獲得にも大 きな影響を与えている。まず、車検獲得には対象車の車検年月日が必要になる。そのための流れは初回認識した車両の車検年月日を調べることから始まる。

「コールウォッチ」に初めての来店車という情報が流れる。それを元にスタッフは声掛けや特典の付いたウェルカムチケットを使用し、車検年月日を教えてもらう。この情報をPCに入力すれば、車検月日が近づいた対象車が訪れた際、『車 検○カ月前』と指示するコードが「NXコールウォッチ」に伝達される。あとはスタッフはそ れに合った対応を行うという形である。「NXEYES」の基本機器セットはNXカメラ4台、NX-PC1台、NXEYESソフトウェア・データベース管理用基本ソフトウェア、システムインストール作業・コール条件設定初期プログラミング作業が付き520万円。すでに同システムを導入した神奈川県横浜市のSSでは、5月中に170台を受注し、52台を同月中に通検という実績を収めている。

◆SSに活力を与える「NXEYES」
油外販売の糸口として活躍する「NXEYES」。MICが運営するスーパーステーションNT茅ヶ崎(新日石系=神奈川県横浜市)でも、油外販売を後押しするアイテムとなっている。

「見込み客が来店したらNXがすべて教えてくれるので、スタッフはそのコールに従い接客をこなすだけです。見込み客とわかっていれば自信を持って声を掛けることができます」と同SSのスタッフ。また、1カ月で80台の車検を1入で受注した奥茂幸子さんは「車検はお客様にとっても通さなくてはならないものなので、声掛けをした場合でも話しを聞いてくれます。そうなると自然とお客様と接する時間も増え良好な関係を築くこともできます。NXは車検後のフォローも指示してくれますので売りっ放しの状態にもなりません」とNXEYESを評価する。続けて「スタッフもやることが明確になるため動きやすい。その結果、SS内の雰囲気も明るくなりました」と話す。

◆SS活性化の機器として期待されるカメラ車番認識システムだが・・・
油外拡販に大きな成果が報告されているカメラ車番認識システム。紹介した以外にも様々な機能があり、SS経営者の関心も高いが、今後の普及拡大に向けては、考慮・解決すべき課題も見えてくる。

まず、カメラの認識精度。各社とも自信を込めたカメラを採用しているが、設置する側のSSには読み取り性能に影響を及ぼしそうな条件が山積する。日差しの角度にキャノピーによる影。さらには、駐車角度や対象車の車高にナンバープレートの角度など。
これに対しメーカーでは、あらゆる状況を想定して実証実験を行ってきた。しかし、数多くあるSSのなかには想定外のものもあるだろう。購入前にはその辺りもメーカーに対し質問するのも重要なこと。また、カメラを増加する場合などのオプション料金や、諸経費などもチェックしておくことが必要である。

2つ目は、個入情報の取り扱いの不安。車番は個入情報であるが個人情報保護法には抵触しないと一部メーカーは見解を示すが、来店客がどう受け取るかはまさに干差万別。「勝手に撮影されていた」と苦情があればSSにとっては信頼を失う危機にもなる。そのトラブルを避けるために、事前にポスター等で告知をするなど顧客に納得してもらうための行動をSSが取る必要もある。

3点目は「人」。カメラ車番認識システムは、確かに油外購入見込み客を発見してスタッフに伝達してくれる。だが、肝心のスタッフがその指示にしたがい行動しなければ購入にはつながらない。また、見込み客を購入客へと移すにもそれなりの知識や勧め方も必要となるだろう。

接客術・油外収益の向上が期待されるカメラ車番認識システムだが、それは今まで見落としていた「糸口」を漏らすことなく音声や文字という形で具現化したもの。その糸口を成功に結びつけるかどうかの鍵はやはり「人」が持っているようだ。

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